天鉄局NB運転区

国鉄天王寺鉄道管理局で活躍した車両の話題を中心に、鉄道模型(Nゲージ)とBトレインの話題なども記してゆきます。

カニ22という車両(その4:品川区での運用)

カニ22の「あさかぜ」運用について編成考察します。

日車夢工房のサイトによると昭和39年から昭和40年10月のダイヤ改正まで「あさかぜ」にもカニ22が充当されていたとあります。

一方で列車編成をつぶさに掲載している「ARC資料館」でも昭和39年10月1日~昭和40年9月30日の「あさかぜ」の電源車はカニ22と記されています。

そこで、この期間(昭和39年10月~昭和40年9月末)の20系4列車の編成を記載しておきます。
・あさかぜ:東京~博多(東京=EF60-500=下関=EF30=門司=ED72=博多)
・さくら:東京~長崎(東京=EF60-500=広島=C62=下関=EF30=門司=ED73=博多=C60=長崎)
はやぶさ:東京~西鹿児島(東京=EF60-500=広島=C62=下関=EF30=門司=ED73=熊本=C61=西鹿児島
・みずほ 東京~熊本(東京=EF60-500=広島=C62=下関=EF30=門司=ED72=博多=C59=熊本)
※「さくら」「はやぶさ」「みずほ」の8~14号車は東京~博多

列車名 あさかぜ
~S40/3/19
あさかぜ
S40/3/20~
さくら はやぶさ みずほ
電源車 カニ22 カニ22 カニ22
カニ21
マニ20
カニ22(51)
カニ22
1号車 ナロネ20 ナロネ20 ナロネ22 ナロネ22 ナロネ21
2号車 ナロネ22 ナロネ22 ナロ20 ナロ20 ナシ20
3号車 ナロネ21 ナロネ21 ナシ20 ナシ20 ナハネ20
4号車 ナロネ21 ナロネ21 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20
5号車 ナロネ21 ナロネ21 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20
6号車 ナロネ21 ナロネ21 ナハネフ21 ナハネ20 ナハネ20
7号車 ナロ20 ナロ20 ナハネ20 ナハネフ21 ナハフ21
8号車 ナシ20 ナシ20 ナハネ20 ナハネ20 ナロネ21
9号車 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20
10号車 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20
11号車 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20
12号車 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20
13号車 ナハ20 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20
14号車 ナハフ20 ナハフ20 ナハネフ22 ナハネフ22 ナハフ20

この期間中「あさかぜ」のみ若干の編成変更(13号車がハザからハネに変更)がありますが「さくら」「はやぶさ」「みずほ」は同じ編成です。

「さくら」の佐世保乗り入れは昭和40年10月からですので、これまでは「はやぶさ」以外の3列車のカニ22(51番以外)は共通運用だったようです。そして電源車が不足する場合は「さくら」にカニ21を充当したようです。


では昭和40年10月改正後の編成を比べてみましょう。
このダイヤ改正ブルートレインの牽引機はEF60-500からEF65Pに変更になっています。EF65Pにはいわゆる「カニパンスイッチ」がついていますので、全車カニ22を組み込んだ列車の牽引可能です。

昭和40年10月1日~昭和43年6月19日の編成
・あさかぜ:東京~博多(東京=EF65P=下関=EF30=門司=ED76/ED72=博多)
・さくら:東京~長崎・佐世保(東京=EF65P=下関=EF30=門司=ED73/ED75-300=鳥栖DD51=長崎:肥前山口DD51早岐=C11=佐世保
はやぶさ:東京~西鹿児島(東京=EF65P=下関=EF30=門司=ED73/ED75-500=熊本=DD51西鹿児島:上りは熊本=ED72/ED76=門司
・みずほ 東京~熊本(東京=EF65P=下関=EF30=門司=ED73/ED75-300=熊本)
※昭和41年9月30日まで「さくら」の1~7号車は佐世保行き、8~14号車は長崎行き、昭和41年10月1日以降は長崎行と佐世保行を振替
※「はやぶさ」「みずほ」の8~14号車は東京~博多

列車名 あさかぜ さくら はやぶさ みずほ
電源車 カニ21 カニ22(52/53)
カニ21
マニ20
カニ22(51)
カニ22(1-3)
1号車 ナロネ20 ナロネ22 ナロネ22 ナロネ21
2号車 ナロネ22 ナハネ20 ナロ20 ナハネ20
3号車 ナロネ21 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20
4号車 ナロネ21 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20
5号車 ナロネ21 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20
6号車 ナロ20 ナシ20 ナシ20 ナシ20
7号車 ナシ20 ナハネフ21 ナハネフ21 ナハネフ23
     マヤ20    
8号車 ナハネ20 ナハネ20 ナロネ21 ナロネ21
9号車 ナハネ20 ナロネ21 ナハネ20 ナハネ20
10号車 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20
11号車 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20
12号車 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20
13号車 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20 ナハネ20
14号車 ナハネフ22 ナハネフ22 ナハネフ22 ナハネフ22

「さくら」の佐世保乗り入れに際しカニ22はMGとパンタグラフの撤去がされます。この工事は52と53に行われました。
したがってこの2両は「さくら」限定で充当され、予備電源車としてカニ21が充当されたものと思われます。残ったパンタ付きのカニ22電源車3両は「みずほ」専用となり「あさかぜ」にはカニ21が充てられます。
こうして6両のカニ22の住み分けが完了しました。 

昭和43年6月20日から4列車とも若干編成が変更となり(食堂車の連結位置が変更となる)そのままヨン・サン・トーのダイヤ改正を迎えます。
この改正(昭和43年10月1日)でカニ22は全車向日町に移転。この時にパンタを搭載していたカニ22 1~3もMGとパンタの撤去が行われました。