前回は紀伊半島を巡る気動車急行列車の、興味を引いた列車について記してみました。
この記事で対象にしたのは ヨン・サン・トオ つまり昭和43年10月のダイヤ白紙改正ですが、この頃は急行でもまだまだ非冷房で運転されている列車が多かったようです。
私が子供の頃は流石に急行は概ね冷房化されていたと思いますが、普通列車や通勤電車では非冷房車も多く、地下鉄は冷房が無いのが当たり前という状況でした。
そんな訳で、いろんな車両の冷房化がいつ頃だったか調べている中で、いくつかの編成表を入手したので書き留めておきたいと思います。
今回は気動車急行の編成表で、紀伊半島を走った列車に絞ります。(ブログが天鉄局なので・・・)
714D くまの(京都→柘植→亀山→串本) | ||
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号車 | 車両 | 所属 |
8号車 | キハ58 106 | 大ムコ |
7号車 | キハ28 45 | 福フチ |
6号車 | キロ28 50 | 大ムコ |
5号車 | キハ58 129 | 大ムコ |
512D しらはま2号(白浜→京都) | ||
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号車 | 車両 | 所属 |
?号車 | キハ58 104 | 大ムコ |
?号車 | キロ28 50 | 大ムコ |
?号車 | キハ28 3008 | 大ムコ |
?号車 | キハ58 108 | 大ムコ |
?号車 | キハ65 86 | 大ムコ |
903D 紀州2号(名古屋→新宮→天王寺) | ||
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号車 | 車両 | 所属 |
8号車 | キハ58 1140 | 天ワカ |
7号車 | キハ28 326 | 天ワカ |
6号車 | キハ58 155 | 天ワカ |
指5号車 | キロ28 81 | 天ワカ |
指4号車 | キロ28 149 | 天ワカ |
指3号車 | キハ58 690 | 天ワカ |
指2号車 | キハ28 3006 | 天ワカ |
指1号車 | キハ58 172 | 天ワカ |
たった3例ですが、興味深いことがわかります。
キハ58系列は登場時は非冷房でしたが、やがて冷房化されます。
しかし冷房用電源確保の関係から、エンジンを2基積んだキハ58は単独では冷房装置を動かすことができず、キハ28に冷房用電源を積んで給電してもらう方式を取りました。キハ28は自車を含めて4両まで給電できる4VKディーゼル機関を搭載して、必要に応じて各車に給電する方式が採られました。
この時、キハ28は元番号+2000という改番がされているため、昭和48年の「しらはま2号」と同49年の「紀州2号」は冷房車が連結されていたことがわかります。
また「しらはま2号」は全車冷房だったと想像されますが、「紀州2号」は給電の都合から指定席車両のみが冷房されていたと推測されます。
手元には昭和43年~昭和51年のキハ58系列の冷房改造状況の資料があるので、次の機会には天ワカ所属の車両についてまとめたいと思います。