以前に当ブログで、昭和39年10月1日~昭和40年9月30日の東京発の20系寝台特急の編成について考察したことがあります。
この記事の目的は昭和39年から昭和40年まで「あさかぜ」にカニ22が充当されていたという日車夢工房の記事から、当時の編成を考察ことでした。
列車編成を調査する際に参考としているARC資料館でも、当該期間は「あさかぜ」の電源車がカニ22とされており、一件落着・・・だったのですが、最近どうやら間違いらしいことが判明してきました。
ことの発端はナハ20。
言うまでもなく、20系客車の3等座席車(3等級時)です。他にナハフ20とナハフ21がありますがいずれも緩急車なので、中間車両としては唯一の形式であり、製造両数も総勢3両という少数派でした。
で、ナハ20の何が発端かというと、少し前に発売されたKATOの20系はくつるセット。これにナハ20が入っています。
で、20系「はくつる」の運行開始が昭和39年10月1日。
わずか3両しか存在しないナハ20が「あさかぜ」と「はくつる」の2列車に充当できるはずもなく、どちらかが(状況的に考えて「あさかぜ」の方が)間違いだろう、という訳です。
で、正解を探すべく取った方法が、当時の時刻表に記載されている編成表を確認する、でした。
使用したのは勿論、国鉄監修の交通公社時刻表です。
昭和39年10月号の時刻表に掲載の編成表がこちら。
13号車が2等寝台車になっています。つまりナハ20ではない。
予想通りの結果です。
一方で前月の時刻表を確認すると・・・。
13号車は座席車なんですね。2等座席車の表示になっていますが、この時既に3等級制から2等級制に移行していますからナハ20の解釈で問題ありません。実際7号車が1等座席車なのでナロ20ですね。
という訳で「あさかぜ」へのカニ22充当が昭和39年10月改正以降であるならば、カニ22とナハ20が連結された「あさかぜ」は運行されていなかったということになります。